博多三大祭りのひとつ、筥崎宮の放生会ですが、毎年9月に1週間かけて行われます。
たくさんの出店が立ち並び、子供も楽しみにしているお祭りですが、その中でコレクターやマニアも存在する名物が「おはじき」です。
この 筥崎宮の 「おはじき」は、博多人形の職人さんのグループ「博多人形白彫会(はくちょうかい)」が製作しています。
おはじきと聞くと、ガラスでできたものをイメージしますが、筥崎宮のおはじきは素焼きの粘土製で、直径は2㎝前後。
すべて手作りで、魚や縁起物、武士やめんたいこまでユニークなデザインが可愛らしく、手触りも温かみがあります。
歴史を紐解くと、 博多の伝統工芸「博多人形」を作っている 白彫会が1978年から地域の特色を出した「博多おはじき」を作り始めたのがはじまり。
その後、1980年から筥崎宮の依頼で、放生会用の「放生会はじき」と、通年販売用の「縁起はじき」を製作するようになったようです。
以来、年を追うごとに人気が高まり、また年代や職人さんによっておはじきの表情やデザインも異なることから熱心な収集家も現れるほどに人気になったのです。
おはじき争奪戦が過熱して販売中止に。
じつはこの「放生会おはじき」は、2017年から販売を休止しています。
理由はひとつではないですが、あまりの人気ぶりに転売されたり、徹夜の行列ができたり、奪い合いになったりなど人気の過熱が原因とも言われています。
また、もう一つ大切な理由が、職人さん減少とも言われています。
なにせ、ひとつひとつ手作りですから、職人さんが減ると職人さんの負担が増えるか製作数を減らすしかありません。
しかし、製作数を減らせば、さらに争奪戦が過熱して、転売などが活発になりかねないと判断したのではないでしょうか。
今は「放生会おはじき」はなく、「筥崎宮おはじき」が通年で販売されています。
噂では、生産体制を整え十分な量を作れる状態を目指していて、復活もあるとか。
伝統のものなので、ぜひ復活を期待しています!